八重歯(叢生)の治療例

八重歯の治療例

八重歯とは?

犬歯・糸切り歯が生えてくる際にスペースが不足し、正しい位置にはえなかった状態です。叢生(がたがた)と同様に、抜歯を行いスペースを確保し治療していく方法や歯の並びのアーチを広げることでスペースを確保して治療するなど、方法は様々です。犬歯は歯の中で一番根っこが長く丈夫なため、犬歯がしっかり噛み合わさっている状態をつくることで奥歯の噛み合わせの負担を減らすことができるため犬歯を抜かずに治療をすることはとても重要で価値が高いことです。

CASE1

初診時年齢 17歳
主訴 八重歯が気になる
口腔内所見 上顎右の犬歯(糸切り歯)が歯並びからはみ出し八重歯になっており、右上側切歯(2番目の前歯)が内側に入り、反対咬合(上の前歯よりも下の前歯が外側に出ている噛み合わせ)になっていました。下顎の前歯に叢生(ガタガタの歯並び)を認めますが、上下奥の噛み合わせの状態は正常、上下の顎の骨は狭く上下とも歯並びのアーチは著しく狭窄していました。上の顎の歯の真ん中は右へ約5mmずれることによる右全体の叢生が見受けられます。
診断名 アングルI級叢生症例
装置名 マルチブラケット装置、パラタルバー
抜歯部位 上顎左右4番、下顎左右5番
治療期間・
通院回数
2年2ヶ月・26回
費用の目安 800,000円(税込)※当時税率5%
(費用内訳)
検査・診断料:52,500円(税込)
矯正治療費(処置料・保定装置料を含む):747,500円(税込)
リスク・副作用
  • ① 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。
  • ② 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
  • ③ 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
  • ④ 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがって歯みがきを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
  • ⑤ 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
  • ⑥ ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
  • ⑦ ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
  • ⑧ 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
  • ⑨ 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
  • ⑩ 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
  • ⑪ 歯の形の修正や噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
  • ⑫ 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
  • ⑬ 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
  • ⑭ 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の噛み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
  • ⑮ 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、噛み合わせの「後戻り」が生じる可能性があります。
  • ⑯ あごの成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
  • ⑰ 治療後に親知らずの影響で歯並びや噛み合わせに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや噛み合わせが変化することがあります。
  • ⑱ 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。

治療計画

マルチブラケット装置を用い、上下の歯の抜歯スペースを利用して叢生を改善し奥歯の噛み合わせの関係を維持しながら良好な歯並び・噛み合わせを獲得します。

上顎・正面・下顎

  • 治療前
  • 治療中
  • 治療後

側面

  • 治療前
  • 治療中
  • 治療後

治療前後横顔

  • 治療前
  • 治療後

治療結果

抜歯ケース

上下とも顎の骨が小さく、叢生を解消できるだけの歯並びのアーチの拡大は期待できないことから、上下左右計4本(小臼歯)を抜歯、抜歯スペースを利用して八重歯になっていた右上犬歯を歯並びに配列、内側に入っていた右上の前歯も配列、下の顎の前歯の叢生も改善しました。歯列・噛み合わせともに良好で上下正中線も一致させることができました。

パラタルバーの使用

奥歯の噛み合わせの状態が正常だったため、奥歯の移動を防ぐことを目的にパラタルバーという装置を使用しました。

矯正治療におけるリスクについて

  • 1痛みがでる可能性があること
  • 2装置に擦れることで口内炎が出来やすくなる
  • 3治療への協力度が低いと治療が長引く可能性があること
  • 4歯みがきが難しくなるため虫歯や歯肉炎になりやすくなること
  • 5治療後、保定装置(リテーナー)を指示通り入れないことや、その他の指導内容が守れない
    場合、後戻りする可能性があること

※上記の内容は個人差があるため、全ての方に当てはまるものではありませんので参考としてご覧ください。
なお、記載の矯正装置は完成物薬機法対象外の矯正装置であり医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。

各種料金について