外科矯正とは?
外科矯正(保険適用可)
検査の結果、骨格的なズレが大きい出っ歯・受け口・開咬・偏位などのケースは通常の矯正治療だけでは十分な治療結果が期待できず歯が安定しにくい場合があります。その場合、外科手術と矯正治療を併用することで治療します。本格的な手術が必要となりますが大きな治療効果が期待できます。
健康保険が適用される条件があります
外科矯正は認可された医療機関で治療を受けた場合に保険適用されます。この場合の医療機関とは顎口腔機能診断料算定の指定医療機関をいいます。当院では六地蔵診療所が顎口腔機能診断料算定の指定医療機関のため保険適用されます。外科矯正が適用されるかどうかは、電話やメールのやり取りではわかりかねるため必ずご来院いただくようお願いします。
外科矯正治療の流れ
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1
相談~診断
1
相談~診断外科矯正が必要か検査を行い判断します。
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2
術前矯正(当院にて)
2
術前矯正(当院にて)症状によりますが術前矯正治療を1年ほど行います。
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3
入院・手術
(大学病院の口腔外科など)3
入院・手術(大学病院の口腔外科など)装置が付いた状態で全身麻酔下の手術を行います。
2週間ほど入院する必要があります。 -
4
術後矯正(当院にて)
4
術後矯正(当院にて)経過によりますが術後矯正治療を1年ほど行います。
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5
保定期間
5
保定期間歯並びや噛み合わせが安定するように経過観察します。
注意
- 手術の方法は患者さんの症状や、手術をする病院・医師の方針によって異なります。
外科矯正の治療例
※歯並びや骨格は一人ひとり違うため治療結果には個人差があります。あくまで参考としてご覧ください。なお、矯正装置は完成物薬機法対象外の矯正装置であり医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
※本ページに掲載している画像は加工等の修正は一切していません。
初診時年齢 | 21歳 |
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主訴 | 反対咬合を治したい、下顎が出ているのが気になる |
口腔内所見 | 上下の前歯が反対咬合を呈しており、上下の奥歯の噛み合わせの関係はアングルIII級(奥歯の噛み合わせの下の歯がずれている状態)で、奥歯から約7mm受け口の噛み合わせの関係で上あごの前歯に中等度の叢生(歯のガタガタ)を認める状態でした。 |
診断名 | アングルIII級、上下前歯反対咬合を伴う骨格性上顎後退+下顎前突症 |
装置名 | マルチブラケット装置(外科手術併用) |
抜歯部位 | 下顎左右8番 |
治療期間 | 3年 |
費用の目安 | 保険治療で進め、負担金合計は278,820円(初診~保定終了) |
リスク・副作用 | 最下部をご参照ください |
治療計画
21歳男性で、咬み合わせを治したいという要望だけでなく、顎の形を変えたいという審美的改善要求も強い方だったため、外科手術を併用した治療を計画しました。下の左右の親知らずの抜歯を行い、術前矯正を小臼歯非抜歯で進め、外科手術で顎間関係の改善を行い、術後矯正にて緊密な噛み合わせの関係の確立と機能的・審美的改善を図ります。
治療前後
- 側方
- 側方
- 目の下の横顔
- 目の下の横顔
治療結果
■外科手術による骨格的な改善
骨格的に上あごが後退している状態に加えて、下あごも前に出ているという診断の下、外科手術を併用して治療を行ったため、治療後の顔貌所見として上あごの後退感、下あごの前突感が改善され、良好な口元が獲得できました。また、前歯が反対に噛み合わさっている状態、上の前歯の叢生(ガタガタ)も改善され、機能的・審美的にも良好な結果を達成できました。ご本人さんも結果にはかなり満足されています。
矯正治療におけるリスクについて
- 1痛みがでる可能性があること
- 2装置に擦れることで口内炎が出来やすくなる
- 3治療への協力度が低いと治療が長引く可能性があること
- 4歯みがきが難しくなるため虫歯や歯肉炎になりやすくなること
- 5治療後、保定装置(リテーナー)を指示通り入れないことや、その他の指導内容が守れない
場合、後戻りする可能性があること
※上記の内容は個人差があるため、全ての方に当てはまるものではありませんので参考としてご覧ください。